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オイルの知識

本ページの内容は一般的なエンジンオイルに関する情報について作成しております。SKZIC製品とは直接関係のない情報も含まれております。

5.欧州車のオイル編

Q:欧州車はAPI規格やILSAC規格よりACEA規格を重視するのは何故?
A:API規格やILSAC規格は省燃費を重視するようになり、リンや硫黄といった触媒被毒性のある添加剤の配合量規制が厳しくなり、欧州での車両の使用環境や排気ガス規制に合わなくなってきた為です。
欧州はガソリンエンジンよりもディーゼルエンジンの普及率が高く、またアルプスの山越えやアウトバーンでの高温・高負荷での走行状況が多いのと、ロングドレイン性も求められるので、エンジンオイルには省燃費性や環境性よりも耐久性を求めています。
ただ、ここ最近のクリーンディーゼル車や省燃費対策でのダウンサイジング車の普及に伴い、「低灰分」「低リン分」「低硫黄分」のエンジンオイルが登場し、「Cカテゴリー」としてACEA規格に制定されています。
Q:欧州車は何故オイル減りが国産車に比べて多いのですか?
A:欧州車のエンジンは国産車に比べるとシリンダーに施されている「クロスハッチ」とピストンの材質が違う為オイル減りが多くなります。
「クロスハッチ」とはシリンダーにクロス状の溝を付けることにより、溝にオイルが入り込みシリンダーへのオイルの付着量が多くする処理です。
この溝の深さが国産車に比べ、欧州車の方が深いのでオイルの付着量が多くなります。
オイルの付着量が多くなると潤滑性には良いのですが、その分オイルの燃焼量が増えてオイル消費量が増えます。
欧州車のピストンの材質は、「鍛造」処理したアルミを使用しています。
「鍛造」とはアルミの圧力を加え、アルミ内部の空隙をつぶし、結晶を微細化し、結晶の方向を整えて強度を高める処理です。
分かりやすいうと、ふかふかの食パンに圧力を加え、食パン内部の空隙つぶすと固くなるのと同じ原理です。
「鍛造」処理されたアルミは強度が高く、高温・高負荷に耐えられます。
「鍛造ピストン」は高温・高負荷に強いのですが、熱による膨張率が大きいので、エンジンを組み立てる際には、アウトバーンのような所などでの全開走行時に高温になり膨張した状態で、クリアランス(隙間)がちょうど良くなるように「ピストンクリアランス」を広めに設定しています。
一方、日本のように低速走行が多い場合、ピストンが設定値まで膨張しない為、ピストンクリアランスが広い状態になってしまい、オイルの燃焼量が多くなってしまいます。
Q:欧州車のオイル選びの目安は?
A:ACEA規格の他には、各カーメーカーの認証規格(Approval)で選んでください。 欧州車(米車も)はエンジンオイルに限らず各カーメーカーには自社基準の認証システムがあります。
国産車は自社の純正オイルを推奨オイルにしていますが、欧州車は認証が取れているオイルであればメーカー問わず推奨しています。
メーカーの自社基準の規格ですので、オイルを選ぶ際は認証が取れているオイルを最優先で選ぶと良いでしょう。
認証規格の例・・・
BMW:long life oil 01/04
Mercedes:229.5 229.3
Volkswagen・Audi:VW 505.00/504.00/507.00
Q:HTHS粘度とはなんですか?
A:マルチグレードエンジンオイルが高温・高負荷でせん断された時の実質的な粘度です。
マルチグレードエンジンオイルには粘度指数向上剤として「高分子ポリマー」が添加されていますが、「高分子ポリマー」は高温・高せん断で分子同士の繋がりが壊され粘度低下を起こします。
この、粘度低下を起こした時の実質的な粘度が「HTHS粘度」と言います。
測定には「TBS粘度計」を使用します。
「TBS粘度計」の主要部分は円錐形をしたロータとこれにぴったりはまるステータからなっており、テーパーは1/160で設計されています。
ロータとステータの間が106/sというせん断速度になるよう、ロータとステータ間を極めてわずかで正確な隙間(3μm)に保ち、ロータを規定回転数(3000rpm)で回転させます。
実際には、HTHS粘度が既知の標準油で、正確なせん断速度が得られるように隙間の調整を行ないます。
この隙間に試験油を満たし、150℃に保ってロータを回転させたときの粘性抵抗から粘度を測定します。
各規格のHTHS粘度
SAE規格
(×W-20) 2.6mPa?s以上
(×W-30) 2.9mPa?s以上
(0W,5W,10W-40) 3.5mPa?s以上※
(15W,20W,25W-40) 3.7mPa?s以上
(×W-50) 3.7mPa?s以上
(×W-60) 3.7mPa?s以上
※ 0W,5W,10W-40のHTHS粘度は2.9mPa?s以上であったが、2007年に3.5mPa?s以上に引き上げられた。
API規格
基本SAE規格に準じる。ただし以下のディーゼル規格では別途要求される。
(CJ-4・CI-4・CI-4plus) 3.5mPa?s以上 
JASO T903  
MA、MA1、MA2、MB全ての摩擦特性、粘度において2.9mPa?s以上
※MAはせん断安定性に優れたオイルという通説があるが、そのような規定はされていない。
ACEA 2008 
(A1) 2.9-3.5mPa?s (xW-20のみ2.6mPa?s以上)
(A3) 3.5mPa?s以上
(A5) 2.9-3.5mPa?s
Q:BMWなんですが、新車時のオイルの粘度がSAE5W-30なのでSAE5W-30の粘度ならばどんなオイルでも良いんですか?
A:いいえ、欧州車はSAE粘度より重要な規格があります。
オイルには同じ粘度でもベースオイルの違い、規格の違いなど様々な種類があります。
欧州車に適合できるオイルは粘度よりも規格を重視して選んでください。
欧州車が重要視しているのは耐久性ですので、「ACEA規格」を取得しているかどうかが大事になります。
SAE5W-30のオイルには、「ACEA:A1/B1・A5/B5・A3/B3/B4・C1/C2/C3/C4」と様々な種類の規格があります。
この中で、「A1/B1・A5/B5・C1/C2」グループと「A3/B3/B4・C3/C4」グループの2つのグループに分けることが出来ます。
2つのグループの違いは「HTHS粘度」です。
「A1/B1・A5/B5・C1/C2」グループの「HTHS粘度は「2.9-3.5mPa?s」です。
「A3/B3/B4・C3/C4」グループの「HTHS粘度は「3.5mPa?s以上」です。
「HTHS粘度」が違うと同じSAE粘度のオイルでも性質は変わってきます。
Q:欧州車のエンジンオイル交換サイクルが国産車より長いのは何故?
A:欧州と日本の走行条件の違いと、使用するオイルの量と品質が違うからです。
国産車のメーカーが推奨するエンジンオイルの交換サイクルは、15,000Km走行または1年ですが、欧州車の多くは20,000~30,000Km走行または2~3年と国産車の倍近くです。
これは、あくまでも生産国の走行条件で算出した交換サイクルになります。
日本と欧州の道路事情を比べると、日本は狭いので自動車で走る際、一回の走行距離は短くなってしまいます。
また、速度制限や渋滞、信号などの関係では低速での走行になってしまいます。
こういった走行条件はエンジンにとても厳しく、それを守っているエンジンオイルにも厳しい条件となり劣化が早まります。
一方、欧州の道路事情は国土が広い為に一回の走行距離が長く、渋滞も少なく信号との間も長い為に平均速度は日本より高くなります。
日本と比べるとエンジンとオイルにそれ程厳しい条件ではないので、日本よりもオイルの劣化が緩やかになります。
また、使用するエンジンオイルの量が国産車に比べ多いので、オイルに対する負担も少なくなるのと、燃焼によるオイル消費量が多いのでオイルの継ぎ足しが必要になります。
オイルを継ぎ足すという事は、汚れたオイルに綺麗な新油が追加されるので、汚れが薄まる事によってオイルの寿命が延長する事になります。
メーカーApproval及びACEA規格所得オイルの殆どは化学合成油なのでオイル自体の耐久性にも優れています。
このような事から、欧州車は国産車に比べてエンジンオイル交換のサイクルを長めに設定しています。
ただ、日本の走行条件ではエンジンオイルの劣化が激しいので、メーカー推奨の交換サイクルより早めの交換をお勧めします。

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