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オイルの知識

本ページの内容は一般的なエンジンオイルに関する情報について作成しております。SKZIC製品とは直接関係のない情報も含まれております。

3.ディーゼルオイル編

Q:ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの違いは?
A:吸入・圧縮・燃焼・排気といった基本になる工程は同じですが、使用する燃料が違うので、吸入時と燃焼時の方法が違います。
ガソリンエンジンは吸入時に燃料と空気を混合した混合気を燃焼室に送り込み(除く直噴エンジン)圧縮し、混合気の温度が上がった所で点火プラグの火花で着火させ燃焼させます。 一方、ディーゼルエンジンは空気のみ燃焼室に送り込み、圧縮し空気が600℃以上に温度が上がった所に燃料となる軽油を噴射し自然発火させます。
また、エンジンの出力調整はガソリンエンジンの場合、スロットルバルブの開閉による空気の吸入量で調整をしますが、ディーゼルエンジンは燃料の噴射量で調整をします。
したがって、ディーゼルエンジンには点火プラグが無いのと、燃料噴射装置(インジェクター)が燃焼室に直に取り付けされています。(直噴)
最近の省燃費型ガソリン車の中にはディーゼルエンジンと同じように直噴タイプ燃料噴射装置のエンジンが増えてきています。
Q:ガソリンエンジンオイルとディーゼルエンジンオイルの違いは?
A:ガソリンエンジンオイルとディーゼルエンジンオイルの基本性能は殆ど同じです。
違う点は、ディーゼルエンジンオイルには、酸を中和させるためのアルカリ分が添加剤として多く入っているところです。
それはディーゼルエンジンは、燃料に軽油を使用しており、軽油の中には硫黄が含まれていて、これが燃焼すると「硫黄酸化物」になり、この「酸」がエンジン内部を腐食させる原因となるために、中和する必要があるのです。
ガソリンエンジンオイルをディーゼルエンジンに使用しても、指定粘度と同じ粘度グレードであれば直ぐには不具合は生じません。(DPF装着のクリーンディーゼルエンジンは除く)
ガソリンエンジンオイルはディーゼルエンジンオイルに比べ、酸の中和と清浄分散性の耐久性に劣り、劣化が早くなります。
また、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べ圧縮比が高い(ガソリンエンジンの倍くらい)為に耐圧性が求められます。
以上の事から、ガソリンエンジンオイルをディーゼルエンジンに使用するのは避けましょう。
ディーゼルエンジンオイルをガソリンエンジンに使用した場合、同じように指定粘度と同じ粘度グレードであれば直ぐには不具合は生じません。
ディーゼルエンジンオイルはガソリンエンジンオイルに比べ、低温スラッジへの対策を施していない為に、油温が上がらない状況下での使用の場合、劣化が早まる可能性があります。
ガソリンエンジンはディーゼルエンジンより高回転(ディーゼルエンジンの倍くらい)です。
したがって、高回転域での油膜保持不足と耐圧性の強さからくる回転が重くなるといった症状が事が考えられます。
ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンのどちらにも使用できる「ユニバーサルオイル」は問題ありません。(DPF装着のクリーンディーゼルエンジンは除く)
現在販売されている、ガソリンエンジンオイルの殆どはディーゼルエンジンオイルのAPI規格CF相当の性能を兼ね備えていますが、表記されていない製品も多くありますので、規格の表記があるものを使用する事をお勧めします。
表記例:AIP CF相当 API Cf performance等。
Q:ディーゼルエンジンオイルの規格が沢山あるのは何故?
A:ディーゼルエンジンオイルの規格は、ガソリンエンジンオイルと同じで「API規格」「ACEA規格」「カーメーカー規格(OEM規格)」がありますが、四輪用ガソリンエンジンオイルの規格には無い「JASO規格」があります。
また、「ACEA規格」も細分化されていて「Bカテゴリー」「Cカテゴリー」「Eカテゴリー」とカテゴリーだけでも3種類あり、各カテゴリー毎に2~4種類の規格があり、全部で10種類の規格があります。
何故このように多くの規格があるかというと、ディーゼルエンジンには「通常のディーゼルエンジン」「排ガス処理システム付きディーゼルエンジン」「ヘヴィーデューティーディーゼルエンジン」と様々な種類があり、エンジン毎に求める要求性能と各国で使用する燃料(軽油)に含まれる硫黄分が違う為それに対応すべく多くの規格が必要になっています。
※規格の詳しい説明は基礎編の規格の項目を参照して下さい。
Q:クリーンディーゼル車に装着されているDPF(DPD)とは何ですか?
A:ディーゼル微粒子捕集フィルター(Diesel particulate filter)の頭文字で略して「DPF」です。
ディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子状物質(PM)の排出を軽減させるフィルターです。 「PM」はディーゼルエンジンが排気ガスとして大気中に放出する「微粒子(スス)」で、燃料の軽油が不完全燃焼を起こして発生する大気汚染の原因になる物質です。
この「PM」を「DPF(DPD)」で漉し取るのですが、使用しているうちにフィルターが目詰まりを起こして機能が低下していまします。
その際に、ヒーターなどで燃焼再生させるセルフクリーニング機能でフィルターの目詰まりを解消します。
フィルターの目詰まりは、「PM」だけでは無く、エンジンオイルが燃焼した際に発生する「硫酸灰分」も原因の一つになります。
ただ、この「硫酸灰分」はセルフクリーニング機能では解消できず、フィルター内に残存してしまい、最終的にはフィルターが目詰まりを起こしてしまいます。
その為、「DPF(DPD)」装着のディーゼルエンジンには「低灰分」の対応オイルが必要になります。
「低灰分」のオイルは「硫酸灰分」の素になる「金属系添加剤」と「カルシウム系添加剤」の添加量を低く抑えています。
「DPF(DPD)」対応規格・・・
JASO:DH-2(ヘヴィーデューティー) DL-1(ライトデューティー)
ACEA:Cカテゴリー(ライトデューティー) E9(ヘヴィーデューティー)
API:CJ-4
※規格の詳しい説明は基礎編の規格の項目を参照して下さい。
Q:JASO DH-2とDL-1は汎用性はありますか?
A:DH-2はヘヴィーデューティー用でDL-1はライトデューティーで硫酸灰分・リン分の規定や粘度設定の関係で汎用性はありません。
DH-2:硫酸灰分1.0%±0.1 リン分0.12% 粘度設定10W-30~(省燃費タイプの5W-30もあります)
DL-1:硫酸灰分0.6%以下 リン分0.10%以下 粘度設定0W-20~5W-30
規定の大きな違いは「硫酸灰分量」と「リン分量」です。
DL-1指定にDH-2を使用すると「硫酸灰分量」が多い為、DPFが詰まりやすくなります。
DH-2指定にDL-1を使用すると「硫酸灰分量」は少ないのでDPFの詰まりだけを考慮すると問題はありませんが「硫酸灰分量」が少ないという事は「清浄性」が低いという事になるので、エンジンの清浄性能が劣ります。
リン分は耐摩耗や極圧の添加剤成分になる為、DH-2指定にDL-1を使用すると、動弁系摩耗のおそれがあります。
DL-1指定にDH-2を使用すると、動弁系摩耗は問題ありませんが、酸化触媒の被毒性が懸念されます。
また、粘度設定が低粘度な為にエンジン保護と耐久性(ロングドレイン性)を保つことが出来ません。
※いすゞのDPD対応純正オイル、ベスコクリーン10W-30とベスコクリーンスーパー10W-40はヘヴィーデューティーエンジン用ですが硫酸灰分量が「0.54%(10W-30)」「0.51%(10W-40)」とDL-1並に低く設定しています。
規格はDH-2ですが、通常のDH-2を使用すると硫酸灰分量が多い為DPDが早期に詰まる可能性が考えられます。
Q:乗用車向けクリーンディーゼル規格のJASO:DL-1とACEA:Cカテゴリーには汎用性はありますか?
A:硫酸灰分・リン分・硫黄分・HTHS粘度の規定が少しづつ違うので、厳密にいえば汎用性はありません。

ACEA:Cカテゴリー
C1-12:低摩擦、低粘度の低リン低灰型省燃費エンジン油 (リン:0.05 mass%以下、硫酸灰分:0.5 mass%以下) HTHS粘度2.9以上
C2-12:低摩擦、低粘度の省燃費エンジン油 (リン:0.07~0.09 mass%、硫酸灰分:0.8 mass%以下) HTHS粘度2.9以上
C3-12:通常の粘度グレードの省燃費エンジン油 (リン:0.07~0.09 mass%、硫酸灰分:0.8 mass%以下)HTHS粘度3.5以上
C4-12:通常の粘度グレードの低リン低灰型省燃費エンジン油(リン:0.09 mass%以下、硫酸灰分:0.5 mass%以下) HTHS粘度3.5以上

JASO:DL-1
DL-1:(リン:0.10 mass%以下、硫酸灰分:0.6 mass%以下)  HTHS粘度2.9以上
DL-1をC2・C3と比較すると、リンこそ若干オーバーしていますが硫酸灰分はC2・C3より低くなっています。
成分の規制値だけで言えばDL-1で代替する事も可能かもしれませんが、当然ACEAとは要求される内容が違います。
特にHTHS粘度はC3・C4が3.5cp以上というのに対しC1・C2レベルであるDL-1は2.9cp以上と低く、油膜の面で若干不安があります。

●DL-1指定車に、C3規格エンジンオイルの使用。
使用可能ですが推奨できません。
硫酸灰分値がDL-1より若干多いので、DPF早期目詰まりの可能性があります。
またHTHS粘度が高いという事は粘度が高いという事なので、燃費悪化が懸念されます。
●C3指定車に、DL-1規格エンジンオイルの使用。
HTHS粘度が低いので粘度低下による油膜強度不足が考えられる為、使用できません。
また硫酸灰分の低下による、エンジン清浄性能の低下が懸念されます。
●DL-1とC1は硫酸灰分・リン・HTHS粘度共に規制値が近いので互換性はありそうですが、DL-1の代替にC1を使用すると、リンと硫酸灰分の規制値が低いため、潤滑性能と清浄性能の低下が懸念されます。
逆に、C1の代替にDL-1を使用すると、リンと硫酸灰分の規制値が高いため、酸化触媒やDPFを傷める可能性があります。

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